【研究室紹介】パワエレ解体新書
こんにちは !
大量に雨降ったり、
降るかと思いきや快晴だったり、
梅雨明けたのか明けてないのか
よくわからん今日この頃、
我らがボス、山本先生のTwitterで
こんなアナウンスがありました…。
NIO ES6分解大会は10月6日に変更となりました!
— 山本 真義@名古屋パワエレ武道会 (@YamamotoPENU) July 1, 2022
名古屋大学NIC棟1階にて開催いたします。
ボディ評価できる方々、ご一報頂ければ嬉しいです。
日本では過去2例しかないオールアルミフレームを採用して800万円程度というあり得ないお値段なので、その定量的な評価をしたいと思っています。 https://t.co/jqIxOe7Y3M
ほう、「分解」 ?? となった方に説明しますと…、
パワーエレクトロニクスの中でも、
特に移動体応用に知見を持つ山本研では、
「電気自動車の分解」
を結構前から行っています !
最新製品に搭載される技術を把握しつつ、
得られた情報を産業界に還元することが、
この分解作業の重要な目的。
また、我々のような研究室学生にとっても、
学んだ理論を現実世界とリンクさせるための
非常に有益な時間となっています !
一例として、こちらは昨年10月に行った、
「五菱 宏光MINI EV」分解の様子。
車室狭ぇ !
エアバッグも無ぇ !
航続距離はまあ短ぇ !
でも、日本円にして約50万円 !!!
…といった感じのお手軽マシンとして、
中国国内シェアを一気に伸ばしたこちらの車両。
沢山のスペシャリストの皆様にご協力を仰ぎ、
分解、解析を行いました !!
(ちなみに、ネット記事にもなっています !)
これだけ安いと何か裏があるのでは……、
と勘ぐってしまうところですが、
「必要最小限」を上手に見極める
思い切りの良い設計のもとに実現された、
そして今回の分解対象はNIO ES8。
中国の高級電気自動車メーカ、
NIOより展開される最新機種です。
(7/20追記)-------------------------------
上記山本先生のTwitterでは
「ES6」と記載がありますが
正しくは「ES8」とのことでした。
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いかにも家庭的な宏光MINIとは対照的に、
スマートな外観と高性能・利便性を両立した
先進性の高いミッドサイズSUVとなってます♪
お値段は何と 1000万円 !!!
ちなみに、展示時の様子はこちら。
日刊工業新聞様にNIO車両展示の記事を掲載頂きました。
— 山本 真義@名古屋パワエレ武道会 (@YamamotoPENU) July 22, 2022
BYDの日本参入が話題になっていますがある意味、トヨタさんの掌の上の話なんでしょうが、NIOが国内市場に入ってくると、ちょっと怖いですね(笑https://t.co/ysBy3QYMdS
まさしく中華製EV界のスパダリ的車両とも言える
このES8を徹底的にバラすのが今回の目的 !
分解予定日は10/6(木) です !!
分解前には学内で車両展示も行う予定ですので、
ご興味ある方は、是非、見学にいらしてください !!
また、ちょっと名大行くのは難しい…という方へ、
過去に行われた分解の解説動画を
研究室データベースにて公開中です !
こちらも是非、よろしくお願いいたします !!
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【おまけ】
ちなみに、上記2例は共に
中国メーカ製の電気自動車です。
電気自動車、
というとテスラが有名ですが、
中国もそれに比肩しうるほど、
凄まじいペースで開発が進んでいます …!
例えば、先ほどの宏光MINI EV、
一昨年の2020年7月に中国にて発売されるや否や、
国内販売台数がテスラ・モデル3を大幅に上回り、
一躍、業界の話題となりました。
更に驚くべきこととして、
現在、中国国内ではこのような格安EV市場は
やや飽和傾向にあるそうなのです……!!
五菱汽車の成功を受けて、
様々な中華系メーカが一気に追走をかけたことが
このような状況の一因となっているとか。
中国、「50万円EV」の販売急減速 主戦場は中価格帯にhttps://t.co/Fjk4ErLovu
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) June 29, 2022
EV開発の激しい競争スピードを物語る、
面白い逸話の1つかと思います。
1771年、「明和」の元号を冠された時代、
オランダ語の医学書を片手に死体解剖に立ち会い
その解剖図の正確さに驚いた医師・杉田玄白らは
およそ3年の歳月をかけて、この医学書、
「ターヘル・アナトミア」を和訳・刊行。
国内医学の発展に貢献したといいます。
我々山本研究室も、
車載パワーエレクトロニクスを専攻する
日本の一研究室として、
「令和」のパワエレを支える「解体新書」を
発信し続ける所存です。