【研究室紹介】パワエレ解体新書






こんにちは !

山本研究室 広報担当です !!




大量に雨降ったり、

降るかと思いきや快晴だったり、


梅雨明けたのか明けてないのか

よくわからん今日この頃、


我らがボス、山本先生のTwitterで

こんなアナウンスがありました…。







ほう、「分解」 ?? となった方に説明しますと…、


パワーエレクトロニクスの中でも、

特に移動体応用に知見を持つ山本研では、

「電気自動車の分解」

を結構前から行っています !




最新製品に搭載される技術を把握しつつ、

得られた情報を産業界に還元することが、

この分解作業の重要な目的。




また、我々のような研究室学生にとっても、

学んだ理論を現実世界とリンクさせるための

非常に有益な時間となっています !



一例として、こちらは昨年10月に行った、

五菱 宏光MINI EV」分解の様子。



解体されたコンポーネントのお写真


こちらは解体前の宏光MINI EV


車室狭ぇ !

エアバッグも無ぇ !

航続距離はまあ短ぇ !


でも、日本円にして約50万円 !!!




…といった感じのお手軽マシンとして、

中国国内シェアを一気に伸ばしたこちらの車両。


沢山のスペシャリストの皆様にご協力を仰ぎ、

分解、解析を行いました !!

(ちなみに、ネット記事にもなっています !)




これだけ安いと何か裏があるのでは……、

と勘ぐってしまうところですが、


「必要最小限」を上手に見極める

思い切りの良い設計のもとに実現された、

学ぶべき所の多い一台となっていました !!


こちらはインバータの分解図
バスバの取り回しなど、工夫が各所に見られます !!
基板上にひしめく大量の電解コンに
エンジニアの皆様がやや引いていたのは内緒




そして今回の分解対象はNIO ES8。


中国の高級電気自動車メーカ、

NIOより展開される最新機種です。


(7/20追記)-------------------------------

上記山本先生のTwitterでは

「ES6」と記載がありますが

正しくは「ES8」とのことでした。

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いかにも家庭的な宏光MINIとは対照的に、

スマートな外観と高性能・利便性を両立した

先進性の高いミッドサイズSUVとなってます♪


お値段は何と 1000万円 !!!





ちなみに、展示時の様子はこちら。





まさしく中華製EV界のスパダリ的車両とも言える

このES8を徹底的にバラすのが今回の目的 !


分解予定日は10/6(木) です !!


分解前には学内で車両展示も行う予定ですので、

ご興味ある方は、是非、見学にいらしてください !!







また、ちょっと名大行くのは難しい…という方へ、


過去に行われた分解の解説動画を

研究室データベースにて公開中です !

https://sites.google.com/site/nagoyapelab/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B4%B9%E4%BB%8B%E5%8B%95%E7%94%BB?authuser=0


こちらも是非、よろしくお願いいたします !!







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【おまけ】

ちなみに、上記2例は共に

中国メーカ製の電気自動車です。


電気自動車、

というとテスラが有名ですが、

中国もそれに比肩しうるほど、

凄まじいペースで開発が進んでいます …!




例えば、先ほどの宏光MINI EV、

一昨年の2020年7月に中国にて発売されるや否や、

国内販売台数がテスラ・モデル3を大幅に上回り、

一躍、業界の話題となりました。




更に驚くべきこととして、

現在、中国国内ではこのような格安EV市場は

やや飽和傾向にあるそうなのです……!!


五菱汽車の成功を受けて、

様々な中華系メーカが一気に追走をかけたことが

このような状況の一因となっているとか。





EV開発の激しい競争スピードを物語る、

面白い逸話の1つかと思います。






1771年、「明和」の元号を冠された時代、


オランダ語の医学書を片手に死体解剖に立ち会い

その解剖図の正確さに驚いた医師・杉田玄白らは


およそ3年の歳月をかけて、この医学書、

「ターヘル・アナトミア」を和訳・刊行。


国内医学の発展に貢献したといいます。






我々山本研究室も、

車載パワーエレクトロニクスを専攻する

日本の一研究室として、


「令和」のパワエレを支える「解体新書」を

発信し続ける所存です。